木目金の製造工程(作り方)

結婚指輪がオーダーされました

「木目金」の製作工程を詳しくお伝えします。

井島貴金属精錬(株)で取り寄せた地金板を用意。

ピンクゴールドとプラチナの地金

お客様が選んだ2種類~7種類の地金を井島貴金属精錬(株)で取り寄せた。

ゴミや皮脂などが付いていると完全な地金が完成しないので、しっかり洗浄。

これから杢目金を作ります

それぞれ違った地金を交互に重ね合わせる為に板を小さく分割。

分割した後にさらに念入りに2回目の洗浄を行う。

木目金の治具

高温に熱する時に、交互に積み重ねた貴金属を挟み込む為の治具。
この治具は市販されていない。

特殊な素材で作られている特注品。

杢目金の治具

左の写真が、ミルフィーユのように異なる地金を交互に積み重ねて挟み込んだもの。
この状態でバーナーを当て高温に熱すると「とも付け」と言われる地金同士が接着される状態になる。

結婚指輪の製造工程

長時間バーナーで熱する為、コンクリートとハニカムの上にセッテイングする。

今から、それぞれの金属性質を保ったまま積層構造として融合させる作業が始まる。

杢目金の技

いよいよ、素材を作る「溶接作業」開始。

火力や炎の当て方を変化させて素材を作る。
地金の種類によって火力や、炎の当て方も変えなければならない。

なんとこの時点ではまだ素材すら完成していない段階。

杢目金の技2

先ほども説明したように、途中で小まめに火力を変えている。そうする事で丈夫で美しい木目調を織り成す素材を作る事ができる。

貴金属の組み合わせによって温度は違うが、約1000度くらいの高温になる。

杢目金の素材

素材が溶けそうな絶妙なタイミングで素材からバーナーを離して、とも付けを終了させる。

よく見ると素材が溶けそうなまま固まっているのが判る。

杢目金の素材作り2

この後、ハンマーで叩き鍛えるために治具をはずしてから再度、バーナーで熱する。

杢目金の素材作り3

高温で熱い状態のまま、大きいハンマーで打ちつけていき、丈夫な地金(じがね)を作る。

高温に熱し→ハンマーで打ち鍛えるという作業を5回繰り返す

世に出回るジュエリーの99%はこの作業ををしていない。この圧縮により貴金属の密度を高め、強度のある地金を作り出します。

木目金は木目調の美しさだけでなく、素材が丈夫にできている日本古来の伝統技術だ。

杢目金原型

打ち鍛えた地金。

炎に長時間当てた為、表面が黒ずんでいる。

杢目金

ミルフィーユのできあがり。

ヤスリで削って表面をキレイにした写真。

素材の異なる金属が交互に重なりあっているのが判る。この異素材の接合部は通常の貴金属よりさらに丈夫にできている研究結果が報告されている。

この時点で機械的に重なりあっているわけではなく、少し波うっているのが判る。熱し方やハンマーの叩き方など手作業の微妙な違いでその時の模様が変わってくる。

杢目金の素材作り

キレイにした素材(地金)を再度、大きめの炎で地金が赤くなるまで熱する。

このあと、地金を曲げる作業に取り掛かるためだ。

木目金の素材作り

先ほどの巨大ハンマーで打ち付けるよりも男力が必要でもある、素材(地金)をねじる作業。

木目金は金属の状態で「曲げる」「ねじる」「削る」などの作業を大胆に行わないとキレイな木目調の模様が出ないため、木目金の職人はほとんどが男性である場合が多い。

先ほどの整列された模様の「ミルフィーユ」から、曲がりくねった「カプチーノ」にする瞬間の写真。

杢目金の素材作り

削って模様を出す作業。

曲げる、ねじる、削る、圧延するなどの作業を何度も繰り返すという大変、労力のかかる手作業だ。

「さすが、江戸時代に考案された技術(笑)」

ここらへんの作業で
「世界に一つしかない模様」が出来上がる。

同じ作業、順番を踏んでもまったく同じ模様を出す事ができませんのでご了承ください。

ローラー

ローラーと呼ばれるもので地金を挟みこみ、回転させ圧延する。

場合によっては、ハンマーで圧延する場合もある。

杢目金

カプチーノのできあがり。

気が遠くなるような作業を繰り返し、やっと素材が完成。木目模様の入っていない通常のジュエリーは「完全ハンドメイド法」だとしても、ここからの製作である。
(ロストワックス鋳造法や、ゴム型から製造する方法はもっと簡単)

木目金のオーダージュエリーがいかに手間がかかるものなのか「製作工程」から垣間見る事ができた。

杢目金

結婚指輪やマリッジリングなどのペアリングの場合、今までの工程で製作された同じ地金を分割して製作される。

混ざり合った異なる貴金属を半分に分けて指輪にする。これが結婚指輪やマリッジリングで選ばれている大きな理由だ。

ここからは地金を指輪型に曲げて接合。

炎で色が変化した地金の表面をヤスリや磨きで取り除く。ここからは巷に溢れるハンドメイドリングの作り方とほぼ似ています。

木目金

300年以上の伝統技術「木目金」の結婚指輪が完成。

このようにして1点1点手作業で作られている。

ここまでの製造工程で、木目模様が「表面的なただの模様」ではない事が解る。

職人の手によってハンドメイドで製作された木箱に入れてお客様の元へ。

色の異なる金属を積み重ねる事によって完成した木目金はお二人がこれから積み重ねていく日々を静かに祝福しているかのようです。